WindowsXPのサポートが切れて1年が経った。予算の関係から、社内のPC全てを買い換える訳にはいかず、一部のPCはOSの入れ替えのみで対応したが、最近になってメモリやCPUパワーの不足の声が上がってきた。

メモリ不足であればメモリの増設で対応できるが、CPUパワーの不足に対してはシステム全体の交換で対応する他ない。そこで、今回はHDD以外のパーツを個々に準備し、久しぶりにPC１台を自分で組んでみる事にした。

古いPCはNECのMateシリーズ、タイプMB。Core2Duo E4300(1.8GHz)、DDR2 2GB、HDDがSATA3の500GB。Windows Vista時代なら十分な仕様だったかもしれないが、今となっては見劣りがする。これを、Celeron G 1840、DDR3 4MBに変更する。マザーボードは、BIOSTARのH81MHV3を選んだ。特別な理由があった訳ではなかったが（購入店で最安のH81マザボだった)、17x19cmというmATXでも一際小さなマザボだった。

ちなみにこのマザボ、価格コムの口コミを読んでいると、スリープが出来ないらしい。うちは大体シャットダウンで運用しているので問題ないが、スリープが必要な場合は注意した方がよいだろう。



XPの時は、新しいシステムに古いHDDを移設して、インストールディスクを使って修復インストールをしてやれば、データやインストールされたソフトをそのまま使い続ける事ができた（当然、ドライバなどの再インストールは必要だ）。しかしWindows7では、修復インストールが出来なくなったので、これまでのように簡単にはいかない。

・・・はて、Vistaではどうだったのか？と思ったので調べてみたところ、修復インストールが無くなったのはVista以降との事。Vistaはほぼ使わなかったので困る事がなかった訳か。



まずは、古いPC上で作業を始める。Windows7が起動したらレジストリエディタを開き、

HKEY_LOCAL_MACHINE\System\CurrentControlSet\Services

以下にある、

amdide.sys
atapi.sys
ataport.sys
cmdide.sys
intelide.sys
msahci.sys
pciide.sys
pciidex.sys
viaide.sys

を含むキーを一つづつ検索していく。例えばamdide.sysであれば、amdideというキーの中にImagepathという値があり、そこにamdide.sysが設定されている。他の値も多分、Imagepath値に設定されているはずだ。

検索して見つかったキーの、Start値を確認すると、DWORD値が3に設定されていると思うので、それを一つづつ0へ変更していく。既に0になっている場合はそのままで良い。

この作業が意味するところは、無効になっているストレージのドライバを有効にする、という事だ。旧PCと新PCとで異なるストレージドライバを、全て有効にする事で、新PCで起動させた時にHDDにアクセス出来るようにする訳だ。この手法は、XPの頃にIDEでインストールしたHDDを後からAHCIに変更するために使った手法に似ている。

レジストリを変更したらWindows7は終了し、HDDを外して新PCへ移設する。電源を入れるとWindows7が標準ドライバを読み込みながら起動するはずだ。無事に起動したら、新PC用のドライバ類をマザーボード付属のCDなどからインストールしていけばよいだろう。



この作業が上手くいけば、XPでの修復インストールと同様に以前の環境と同じまま新たなシステムで起動させる事ができる。しかし必ずしも上手くいくとは限らないので、事前のバックアップなど出来る限りの安全策は講じておいた方がよいだろう。

ちなみに、この方法では移設前のPCが安全に起動できる事を前提としているが、既にPCが壊れてしまったなどでもう旧PC側が起動できないなどの場合もあると思う。その場合、linuxディストリビューションの中にはWindowsのレジストリを編集できるものがあるので、USBメモリやCDで起動できるそういったディストリビューションを使って、レジストリを編集するのが一つの手だろう。